ゲスの極み乙女「イメージセンリャク」の歌詞の意味が深い!
こんにちは、クラロワが大好きなフーゴです。
クラッシュ・ロワイヤルのCM曲「戦ってしまうよ」を調べていたら、
そのシングルの収録曲「イメージセンリャク」にも惹かれました。
あの蒼いふりした綺麗事で
誰かいなくなって
世は蒼くなったつもりになった
こういう抽象的で少しわかりづらい歌詞も、
いくつかのキーワードを鍵のようにさしこむと、
スッキリ解釈できるような道がみえてきたんですね。
そこで今回は加藤マニ監督のセンスが爆発してるMVと
ゲスの極み乙女「イメージセンリャク」の歌詞の意味や
いろんな解釈をまとめてみようと思います。
ゲスの極み乙女「イメージセンリャク」MVのストーリーは?
まずは現代社会への風刺がバシバシに効いている、
センスのいいミュージックビデオをチェックしてみましょう。
ストーリー性の高いMVなんですけど、
冒頭は謝罪会見からはじまります。
バックで東京オリンピックの前エンブレムをパクってますね(笑)
ワイドショーの番組の名前が
「ゲスのかんぐり」なのもパンチ力がすごいです。
主人公は藍下怜(アイモトレイ)という新人女優で、
彼女がイメージ戦略によってどんどん売れっ子になっていき、
だけど事務所のゴリ押しということで世間から叩かれて、
最終的には飲酒スキャンダルによって失墜します。
彼女の名前の「藍」はインディゴ・ラ・エンドと、
「青は藍より出でて藍よりも青し」という漢文の両方を
指すのだと思います。歌詞でも蒼いというのはよく出てくるので。
「藍下」の「下」はもちろん下衆(ゲス)でしょうね。
イメージ戦略によって人気は高くなっていくんですけど、
次第に操り人形のようになっていく新人女優。
ミュージックビデオでは自分の手足にヒモが
実際にくくりつけられて上から操られてるいるんですけど、
そういった演出もわかりやすくて良かったです。
あと、この女優がCMをしているペットボトル飲料が
「Innocent Water(無罪の水)」になってるのも凝ってますね。
ゲスの極み乙女「イメージセンリャク」歌詞の意味と解釈は?
それでは歌詞の意味や解釈をチェックしていきましょう。
議員陥落で幽体離脱
ペンを折りに悪霊が浮遊するって
何の映画だっけ
いやこれ俺の理想映像
リベンジリベンジ
PVでは休日課長が議員役として謝罪しています。
「ペンを折りに」っていう歌詞から
この議員は週刊誌によって地位を追われたんでしょうね。
そして魂だけが幽体離脱し、
悪霊となって記者を恨んで復讐する。
「そんなイメージがあるけど、これ映画だっけ?
いや違った!自分の理想とする映像だった」と気づきます。
心の奥底では「リベンジ」を求めていると
思いっきり宣言してるように聴こえますね。
最高潮に達したと思った吊し上げは
今日も記録更新中です
関係ない奴はみんな笑顔で
幸せ景気も上昇中です
誰かを生贄にしてみんなで叩いて溜飲を下げる、
そんな吊し上げの風潮がもう最高潮かと思ったけど、
まったく落ち着くことなく、どんどんひどくなっていく。
「今日も記録更新中」という歌詞に、
そんな風潮への風刺が感じられます。
そうやって誰かを吊るし上げることで、
関係ない人は笑顔になり、幸せ景気も上昇する、と。
世間や世論に対する不信感と嫌悪感を
アイロニー(皮肉・反語)という表現で逆に吊し上げてますね。
大事なのは本当の自分じゃない
本当に大事なのはイメージ
作り笑顔で淡々と仕事して
出来なくてもイメージで十分さ嫌だな
「大事なのは本当の自分じゃない
本当に大事なのはイメージ」って歌詞はスゴすぎるし、
それを受けての最後の「嫌だな」も心に刺さります。
PVではいろんな人が「嫌だな」と口にしますけど、
ワイドショーのコメンテーターたちが表情や行動とは裏腹に、
「嫌だな」というシーンには背筋がゾッとしましたね。
ここまでが料理でいうと前菜のようなもので、
ここからいよいよメインディッシュへと入っていきます。
ゲスの極み乙女「イメージセンリャク」女優はベッキー?
あの蒼いふりした綺麗事で
誰かいなくなって
世は蒼くなったつもりになった
このフレーズがこの曲「イメージセンリャク」の
もっとも重要な核となるポイントです。
「あの蒼いふりした綺麗事」っていうのは、
一般的なスキャンダル全般にもいえるんですけど、
やっぱりベッキーさんのことを想像してしまいますよね。
スキャンダルを叩いている人たちも、
実際には不倫をしていたり、悪いこともしてたりします。
みんなが蒼じゃなくてグレイだったりブラックだったりするのに
表面的には蒼いふり(悪いことなんてしてないふり)をして
誰かを叩く事で世の中が今日も正常であるような気になる。
そういった生贄をともなう社会の自浄作用のようなものを、
抽象的な高いレベルで指摘している気がします。
今のところその生贄として選ばれるのが有名人なんですが、
そこに不用意に近づいてしまう行為が「イメージ戦略」です。
秘密道具
イメージセンリャク
瞬く間に
好感度上昇中
誰かが今禁断の果実を
手に取って頬張っていますでも嫌だな
イメージをつくりあげることで有名になり、売れるようになる。
それは禁断の果実だけど、今も誰かがそうやって頑張ってる。
「でも嫌だな」がここでもやっぱり効いています。
なぜなら生贄になった有名人であり芸能人である自分たちと、
そうではないリスナーたちとがつながる大事な言葉だからです。
あの蒼いふりした綺麗事で
誰かいなくなって
世は蒼くなったつもりになった
彼女はそう深い闇の中でずっと
イメージをイメージで作り上げた多分ずっと
問題を起こした人が世間からいなくなったら、
世の中はその分だけ本当に良くなるのか?
おそらくそうではないんですけど、
そういった社会に対する深い問題提議も、
その底にしのばせているのが見事ですよね。
ここで初めて「彼女」という存在がでてきます。
深い闇のなかでイメージをイメージでつくりあげた彼女。
あの蒼いふりした綺麗事で
誰かいなくなって
世は蒼くなったつもりになっていく
さよならと言えなかった
幸せには出来なかった
後悔はまたイメージになって
裏返る今日も
さよならを言うことすらできなかったし、
「彼女」を幸せに出来なかった後悔。
PV の清純派女優とベッキーさんが
オーバーラップするように重なっていく部分です。
「さよならを言えなかった」だけだと
死別した彼女や恋人にも当てはめることができます。
ただ「幸せに出来なかった」や
「イメージセンリャク」というタイトルから
どうしてもあの事件の影響を感じてしまいますよね。
テレビ番組で「ほんとに好きだったんですよ」と語ってましたし、
ちゃんと別れることができなかった後悔は今もあると思います。
ただそれだけではない社会への洞察と現代的な問題を秘めた、
素晴らしく魅力的で味わいのある歌詞ですね。
あと間奏で流れる「ちゃんMARIさん」の
ピアノ演奏もめっちゃ良かったです。
ということで、今回はゲスの極み乙女「イメージセンリャク」の
歌詞の意味と解釈やPVについてをまとめてみました。
少しでも何かの参考になれば嬉しいです。
では、またー!